■雄冬野営場へ行く  2011年9月10日~11日

雄冬(おふゆ)と言えばかつて厳しい地形から孤立した地域だった。

現代に於いても雄冬に通ずる国道を走ると、よくぞこの切り立った崖々を突貫して道路を作ったものだと感嘆せずにはいられない。

 

明治以来、ニシン漁で入植した人々は他地域との主たる交通が船と言う極めて不便な場所で生活をしていた。

自動車が通れる国道231号線が開通したのが何と1981年(昭和56年)、しかし開通直後に崖が大規模崩落し再度開通したのが1984年(昭和59年)、冬季の通行止めが無くなり、通年通行可能になったのが1992年(平成4年)だった。

 

そんな雄冬にキャンプ場「雄冬野営場」があるのは知っていた。その野営場は国道に寄り添う様に存在し、本当にここで落ち着いて休息をとる事が出来るのかかねてから大きな疑問だった。疑問であればそれを解決しに行かねばならん。

pm12:24 新十津川の田園風景
pm12:24 新十津川の田園風景

今回、私が出掛けられる時間は 土曜の午後~日曜の朝まで。 土曜の午前中は仕事、日曜の朝からは子供の野球関連の予定がある。

 

人から「よくそんな時間があるねえ」なんて言われるが、時間は無理やりひねり出すものだ。ボーっとしてはいられない。

理屈っぽい前置きはさておき^^; ひとまず国道451号線を浜益に向かう。水田の稲は完全に実り、あと数日で収穫が始まる。稲の素晴らしい黄金色と爽やかな青空に秋の気配を感じる。

 

画像は新十津川町の風景。新十津川町は1889年に起きた奈良県十津川村の十津川水害で被災された方々が入植した町。最近も十津川村で台風による災害が発生しており、今尚予断を許さぬ状態が続いている。早く良い状態になる事を祈ります。

 国道231号線、浜益に入る。雄冬に向け北上、ここが最後の賑やかな場所。

秋らしいスカっとした空気。ただ海岸線を楽しめるのも僅かの間。

雄冬に近づくにつれ、殆どの区間が覆道とトンネル。景色は見えなくても自然の厳しさが強く感じられる。

トンネルだらけだし、そのトンネルが長いのよ。

時折ようやく姿を現す空には切り立った岩肌が

空の見える僅かな時間の中で海岸線を味わう。

雄冬野営場まであと少しの所に雄冬岬がある。この岬はかつて「北海道三大秘岬」の一つと言われていた。岬には駐車場やトイレがあり、その脇に白銀の滝がある。

雄冬の町に到着。現在45世帯しか住んでいない町なので賑やかな雰囲気ではない。

上の画像の50m先に「雄冬野営場」がある。国道に広めの駐車帯があり、その向こう側が野営場だ。野営場の幅は余りない。

野営場の看板にもたれ、通行するクルマの騒音を2、3分確認してからテントを張った。日中は割と交通量が多く、田舎道の為スピードを出して通過するから騒音もかなりのもの。ただ、夜間は殆ど通行量がない筈(2010年の北海道一周の時、夜中にここを通過している)なので、多分何とか眠れるだろう。

丸い輪のモニュメントの向こうにテントを張った。

その20m位向こうにファミリーキャンパーがいるので心細くは無い。

野営場の端にトイレがある。このトイレはとても綺麗でセンサー付きの便器だし、手洗い場も手を蛇口に近付けるだけで水が出る全自動。文句無しです。

キャンプ場の数百メートル向こうに雄冬港がある。小ぢんまりとしているがしっかりとした港だ。

野営場から内陸を見ると山のてっぺんに展望台が見える。展望台の駐車場までクルマで登ってみたが、そこには墓地が・・。平地が少ない雄冬で苦肉の策だったのだろう。

マムシ注意の看板がいくつかあり、腹も減ったので駐車場からそのまま下りた。

展望台の様子はこちらをクリック

午後2時30分、レストハウス雄冬にて。野営場から増毛方面200m位の所にある。

雄冬にある「お店」はここと、野営場の浜益方面100mほどの所にある飲食店「あら川」だけ。小売店も病院も理容店も何にもない。

「あら川」と「レストハウス雄冬」どちらに入店しようか迷ったが、駐車場の広いこちらに。「あら川」、旭川に帰ってから調べてみたが、なかなか良い雰囲気のお店の様だ。次回はそこで何か頂こう。

何か地元のものを・・・と思ったが、お店のお兄さんによるとここ1週間、時化で漁が出来ず、地モノ料理は「いくら丼」しか無いらしい。まあいいではないか。それでこそ雄冬だ。では「いくら丼一つ!」

いくら丼1,000円
いくら丼1,000円

いくら丼、私でラストオーダーとの事。ありがたく頂戴します。^^

このお店はお父さん、お母さん、その息子さんの3人で切り盛りしているらしい。

開店は今から30年前、国道が開通してからとの事。

 

いつまでも頑張って下さい。

レストハウス雄冬のお兄さんに訊いて一番近い小売店に向かう。

野営場から浜益方面へ10キロの距離。

買い物の帰り、雄冬岬・白銀の滝に再度寄る。なかなか趣のある滝だ。

雄冬岬の碑の下には国道開通記念としての言葉があった。

 

国道開通記念

 日本海に迫る断崖絶壁の厳しい自然条件のもと 陸の孤島といわれてきたこの地に北海道開発局が二十余年の歳月をかけて難関に挑み ここに開通した。住民百年来の悲願達成の喜びと、明るい未来への希望をこめて、この碑を建立する。

昭和56年11月10日

 

ただ喜びも束の間、この11月10日から僅か1ヵ月余りで大規模な崩落が起き、再び2年以上もの間陸の孤島に逆戻りしてしまう。

野営場の近代的なトイレ。入口のガラスにカメラを構える私が映っている。

雄冬の集落を走ってみる。まるで映画の中にいるような不思議な雰囲気だ。

時間があるので野営場から増毛方面へ5キロ位の所にある温泉に向かう。

岩尾温泉あったまーる」もいい温泉だが、ここから更に上にある、行った事のない「夕陽荘(せきようそう)」に向かう。

おお、これは素晴らしいロケーションではないか。否応にも盛り上がるぜ。

入浴料は500円です。お風呂は5人も入れば満員の湯船。眺望が素晴らしいだけに露天が無いのが大変残念。日帰り入浴なら先ほどの「あったまーる」が良いだろう。

ただここは是非宿泊すべきところの様だ。ググってみると口コミがすばらしい。

入浴者がいたので内部は撮影出来ず。もうちょっと広かったらなあ・・

サッパリして野営場に戻るとする。

帰り際、231号線から見上げた所に夕陽荘が見えたので撮影。やっぱり露天風呂が欲しい高さだなあ。

午後5時、テントに戻る。

本当は地元の海産物を炭火で・・と思っていたが、入手出来なかったのでカップ麺と自ら炊いたご飯を夕食とする。

気温は25℃。快適。

今日は余り疲れていないので梅酒をチビチビ飲みながら活字を読む。「お江戸でござる」。文庫本で江戸庶民の生活の解説読本。うたた寝したり何だりしながらも面白かったのでその日の内に全部読み切った。本はアマゾンで買っているが、読んでいない本が結構溜まっている。

ジャンルは特に決まっていないが、自然モノ・野宿モノ・エッセー・クルマ関係が多いかな。

こういう時にそれらの本を持ってはくるものの、結局活字ビッシリの本を薄明かりのテントの中で読む気になれず、気楽に読めるコンビニの雑誌類やゴルゴ13などを買ってしまう事が多い。

 

波の音+野球中継を聞きながらの読書はいいものだ。

ご飯も上手く炊けました。10分ほど蒸らす。

クリックすると拡大します
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蒸らしている間にちょいとテントから出てみる。素晴らしい夕陽。

この頃になるとクルマの通行量も急速に減り、静かになってくる。

:本日の夕食:

お焦げ入りのご飯・カップヌードルカレー味・サッポロビールクラシック。クラシックは北海道限定のビールで、飲み易い口当たり。

いまだかつてない極度に質素な食事だが、たまにはこういうギリギリな感じもいいかなと思った。

 

ラジオで野球中継を聞きながら。。

先ほどの「お江戸でござる」を休み休み午前0時まで掛かって読み終え、外に出てみる。外は真っ暗ではないが外灯の光が僅かに照らす程度。

カメラのシャッタースピードを遅くして撮影。良く見ると星も写っている。

最近は春に買ったオリンパスPENを持ち歩いているが、同時に説明書も必ず携行し、色々と確認しながら撮影している。状況に合わせた撮影は難しい・・

この日は満天の星空だった。外灯がなければもう少しハッキリと撮影出来ただろうか。いずれにせよ素敵な夜だった。

そして夜が明け・・

午前5時起床。

寝室は快適な21℃。前室は肌寒い17℃だった。4℃違うと全然違う。

朝飯は昨日のご飯の残りとインスタントみそ汁「あさげ」。こんなんでも気分的に十分満たされるから不思議だ。

午前6時、出発だ。息子がやっている野球チームのお手伝いがあるので早く帰らねばならない。さあ、旭川へ。

今日は増毛経由で旭川に帰る。途中、歩古丹小学校跡を崖の上から眺める。まだ何とか建物があるようだ。ほっとした。

歩古丹小学校についてはコチラ

天候が芳しくないが海岸線を走るのはいいものだ。

 

そうそう、雄冬野営場で快適な野営が出来るか否かだが・・勿論出来るぞ!

・夜はソコソコ静か。クルマの音は思いのほか気にならない

・食事は野営場傍の二つの食堂を利用すると楽しいだろう

・トイレは最新のものだし、炊事場も綺麗で設備に問題はない

・夕日が素晴らしい

                          以上です。

 

 ではまた・・^^/